グループはありません。
<{/section}>オリゴ糖や乳酸菌、食物繊維、プロバイオティクスにプレバイオティクス。
「腸活」という言葉が盛んに謳われている昨今、至るところでこれら腸に良いとされているキーワードを目にするようになりました。
「世の中には色々と腸に良さそうなものが溢れているけれど、どれをどのようなバランスで生活に取り入れるのが良いのか?」
今回はそんな疑問を解消すべく、腸のスペシャリスト(消化器専門家ドクター)である大竹真一郎医師にじっくりお話をうかがいました。
日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医。
1968年兵庫県生まれ。
高校を中退した後に大学入学資格検定(現、高等学校卒業程度認定試験)に合格し、神戸大学医学部医学科を卒業。愛仁会高槻病院でスーパーローテート研修(多科研修)を行い、その後は消化器専門医として、けいゆう病院、辻仲病院柏の葉、平塚胃腸病院附属クリニックなどで通算1万例以上の内視鏡検査を実施し、研鑽に励む。
2015年には「おおたけ消化器内科クリニック」を開院し、便秘などの腹部症状を中心に多く の患者の診察にあたっている。
腸内環境というのは一般的に腸の中にいる善玉菌、悪玉菌と日和見菌と呼ばれる腸内細菌のバランスの事を指しています。誤解している方も多いのですが、単純に悪玉菌が悪いというわけではなく、大事なのは善玉菌と悪玉菌のバランスなのです。
分かりやすい例で言いますと「クローン病」という腸の疾患は、腸内細菌の悪玉菌が極端に少なかったりします。つまり腸内環境を良くするには、悪玉菌を無くせば良いわけではなく、細菌のバランスであり多様性です。腸内細菌の種類が豊富であるということが大事なんです。ちなみに最適なバランスは善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割と言われています。
腸内細菌をバランスよく、そして多様性のある良好な状態にするには、食習慣やライフスタイルを徐々にでも整えていくことが大切です。
「善玉菌」とは人間の身体にとって必要で良い働きをしてくれる菌の呼称です。
よく耳にする「乳酸菌」や「ビフィズス菌」などが善玉菌の代表的な菌です。
善玉菌は病気の予防に必要な物質を作る上で重要な役割を担っており、その中の1つに「短鎖脂肪酸を作る」という働きがあります。腸内の短鎖脂肪酸の量は、人の太りやすさやメンタルにも関係していると言われています。
つまり善玉菌を増やして腸内環境良くすると、メンタルも落ち着き、さらに、痩せやすい身体になってくるということです。
一方で「悪玉菌」は身体に悪さをする有害物質を作り出します。代表的なものとして大腸菌やブドウ球菌などが有ります。
しかし、悪玉菌の中にも必要な栄養素をつくったり、他の病原菌を攻撃してくれる物もあり、一概に悪いとは言えないのです。
腸内環境をよくするためには、善玉菌の種類が豊富であることはもちろん、悪玉菌もある程度は必要だということです。
一般的には「乳酸菌」や「ビフィズス菌」などの善玉菌を腸にとどける事をプロバイオティクスと呼んでいます。厳密な定義では死んだ菌、いわゆる”死菌”の摂取は「プロバイオティクス」には定義されません。しかし、個人的には菌が生きているのか死んでいるのかはあまり気にしなくてもいいと思っています。というのも、乳酸菌もビフィズス菌も生きてようが死んでようが、それぞれに重要な役割や効果があるからです。そこにこだわるよりも普段から発酵食品を積極的に取り入れ、多様な善玉菌を摂る事の方が腸にとって良いと思います。
発酵食品やヨーグルトなど、乳酸菌やビフィズス菌を含んだ食品や飲料はたくさんありますが、はっきり言える事は「人によって合うもの合わないもの、程よいバランスが違うため、万人受けする菌はない」ということです。
大切なのは「自分の体に合うかどうか」。
なので、普段からできるだけ色んな種類の菌を取り入れて、自分に合う菌を探しながら多様な善玉菌のバランスを保つようにしましょう。
そのためには、偏った食生活ではなく、意識的に色々な食べ物を食べることが大切です。
前述の通り、乳酸菌やビフィズス菌は「善玉菌」です。そして善玉菌のエサになり善玉菌の働きを増やすものを「プレバイオティクス」と呼びます。
オリゴ糖はそのプレバイオティクスの一つです。通常では糖を人が摂取すると腸に届くまでに消化吸収されてしまい、腸内細菌のエサにはなりづらいのです。しかしオリゴ糖は胃腸でも小腸でもわずかしか分解されずに、腸まで届いて善玉菌の餌になります。つまり、オリゴ糖は乳酸菌やビフィズス菌のような善玉菌が活躍するためのエネルギーになるという事です。
さらに胃腸や小腸でほとんど分解されないので、血糖値も上がりづらいというメリットも有ります。
腸内環境を改善するには、善玉菌と善玉菌のエサになるプレバイオティクスを積極的に摂ることが大切です。
オリゴ糖は腸内細菌のエサになって活躍してくれるのですが、腸内細菌が作るガスによってお腹の痛みを感じやすくなったりすることもあり注意が必要です。特に下痢型の「過敏性腸症候群」ですぐお腹が痛くなったり下痢になりやすい人にとっては、オリゴ糖がお腹の痛みを起こす原因になりえます。誰にでもおすすめというものでは有りません。
はい。オリゴ糖には様々な種類のものがあります。そしてオリゴ糖それぞれの種類が、異なる善玉菌のエサになります。腸内細菌のバランスは人それぞれ違いますし、どんな菌が多いのかも異なるので一概にどんな違いがあり何がおすすめとは言えません。オリゴ糖もできるだけ多くの種類を摂ってみて自分に合っているものを選んでいただくのが良いと思います。
オリゴ糖の摂取量は個人差があり、1日何gという明確な決まりはないですが、とりすぎはおすすめしません。適量が一番です。摂りすぎると下痢や軟便になることも有るのでご自身の体調を見ながら量を調節してください。
腸内環境を整えるためには、食物繊維がおすすめです。食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の二つに分類されます。特におすすめなのが、オリゴ糖と同じく善玉菌のエサになる「水溶性食物繊維」です。
水溶性食物繊維とはいわゆるネバネバ系の食物繊維で、昆布や海藻とかオクラなどが代表的です。その他キウイやアボカド、りんご、バナナなどにも含まれています。
水溶性食物繊維は、腸内の有害物質を体外へ排出してくれる働きも持っており、積極的にとりたい栄養素の一つです。
ちなみに不溶性食物繊維とは野菜に多く含まれる繊維質状のものです。さつまいもやセロリ、玄米、きのこ等に多く含まれています。
食物繊維の摂取バランスは1:2(水溶性食物繊維1に対して不溶性食物繊維2)が理想です。便秘ぎみの人が不溶性食物繊維ばかりを摂取すると、余計にお腹が張ってしまう事があります。
そんな時は水溶性食物繊維もバランス良く摂取してみるのが良いでしょう。善玉菌を多く含む発酵食品、水溶性の食物繊維やオリゴ糖を積極的に摂りましょう。
結論から言いますと、適量のオリゴ糖は摂取して構わないと思います。
ただし腸の専門家として声を大にして言いたいのですが、そもそも「糖質制限」や「糖質ダイエット」というのは腸内環境にとってはとてもじゃないですが、良いものとは言えません。なぜなら食物繊維が多く含まれている炭水化物の摂取を減らすことで食物繊維の不足による便秘が起こりやすくなるからです。
もちろん糖質の摂りすぎは様々な病気につながります。例えば心筋梗塞、脳卒中、肥満、がんなどの原因にもなりかねません。そのため肥満に繋がるような糖質の摂り過ぎは控えるべき。これは確かであり、医学的なデータも多く存在します。
だからといって糖質を大幅に減らしたりゼロするというのは極端な考え方です。単品ダイエットや糖質制限などで偏った食事をしていると、その食品が好きな腸内細菌だけになってしまい、菌の多様性が減ってしまいます。
日本には古くから旬の物を食べましょうという習慣があります。一年を通して四季折々の多様なものを食べることになり、腸内細菌の多様性につながると思っています。個人的にも旬の色々な物を食べるようにしています。
オリゴ糖は胃腸や小腸でほとんど分解されないので、オリゴ糖の使用にはあまり神経質にならなくても大丈夫だと思います。ただし摂り過ぎには気をつけて適量を守りましょう。
まったく問題ないです。むしろ一緒に摂取することを推奨します。
乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を腸に届けようというのが「プロバイオティクス」です。そして食物繊維やオリゴ糖などの善玉菌を腸に届けようというのが「プレバイオティクス」。そして「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」を一緒に摂取することを「シンバイオティクス」と呼びます。
分かりやすくすると、
「プロバイオティクス」+「プレバイオティクス」=「シンバイオティクス」
ということになります。
乳酸菌もビフィズス菌も、生きてても死んでても免疫機能に関して期待できる効果は同じです。乳製品やサプリメントの中には菌が腸まで生きて届く事を謳っているものが有り、生菌の方が効果があるというイメージを持ってらっしゃる方も多いかと思います。しかし生きて届くかどうかにあまりこだわる必要は無く、自分の体にあっているかどうか、効果が出ているかどうかを大切にしてください。
摂りやすい時に摂れば良いと思います。
食前より食後の方が良いなどの説も有りますが、そこはあまり気にせず、自分に合った形で摂ればよいと思います。
善玉菌を増やす日本の発酵食品がおすすめです。日本の伝統食品である漬物や納豆、みそ、しょうゆなど、どれも腸内環境を整えるのに役立つ食品ですので食事に適量をうまく取り入れてみてください。ただし塩分の取り過ぎになってしまうことがあるので血圧が高い方は 注意をしてください。
腸美人というのは腸内細菌に多様性があり腸内環境が整っている人の事を指しています。腸美人になればお肌も綺麗で、メンタルも安定します。
現代医学では腸内環境はお肌にすごく関係しているということが分かっています。
便通がすっきりせずお腹が張っている時は吹き出物が出やすくなったり、反対に便秘が改善しておお腹の調子が良い時は肌の調子も良かったり、という事を実感される方も多いと思います。これは腸内環境が良くない時に悪玉菌が作る物質が全身に回って肌に悪影響を及ぼしているのが原因です。ストレスがかかると悪玉菌が増えて身体に不調を感じ、さらにストレスを感じてしまうという悪循環になることも多くあります。
腸内環境が整っていると善玉菌が短鎖脂肪酸を生み出します。この短鎖脂肪酸がストレスを和らげメンタルを安定させてくれ、肌の調子も良くしてくれるのです。
誰にとっても有効な万能サプリメントは存在しません。まずは普段の食事に発酵食品や食物繊維などをバランス良くとり入れるように食生活を見直しましょう。それがあった上で、不足しがちな善玉菌やプレバイオティクスを補う、という目的でサプリメントを摂取するのは良いと思います。
食事のバランスやサプリメントを選ぶ際には菌の種類を増やして菌を定着させることを意識してみてください。どちらも何か月か継続していくことで少しづつ腸内環境が改善されていくと思います。
腸内環境を改善するための重要なキーワードをとても分かりやすく教えて下さいました。腸内細菌の多様性とバランスを肝に命じて、腸に良い食生活とライフスタイルを心がけていきましょう。大竹先生、ご多忙の中貴重なお話を有難うございました。
オリゴ糖の効果|種類やオリゴ糖を含む食品・便秘や糖質への作用とは
「腸によい」と言われる食品の中でも特に手軽に取り入れやすいオリゴ糖。
「オリゴ糖が便秘に効くって本当?」「ダイエットに使える?」などオリゴ糖についてのさまざまな疑問について調べました。
オリゴ糖の効果の記事を見る
No related posts.
メールでのお問合せはこちら
メールアドレス:info@wellbeing.love
電話でのお問い合わせは
受け付けておりません
編集スタッフ 河島 東京都出身。酉年生まれ。2児の父。趣味は読書と散歩と足のつぼ押し。 洗濯物をたたむのが苦手。煮豆と井上陽水が好き。
健康のために玄米ご飯をはじめたいけど、選び方や炊き方がよく分からないな。そんなときに読んでほしい「玄米のはじめ方」について記事をまとめています。玄米生活を失敗しないためのコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
キノコで「菌活」はじめませんか?免疫アップしながら美容効果が期待できる簡単菌活レシピにをお届けします。
多くの健康効果があるといわれるイヌリン。この記事ではイヌリン自体の解説をはじめ、効果や副作用、難消化性デキストリンとの違い、ダイエットに効果的かどうかについてまで詳しく解説しています。
乳酸菌への注目が高まるのと同時に、かわしま屋にもこのようなお問い合わせが届くようになりました。今回はそんな疑問を徹底的に解消すべく、植物性乳酸菌研究の第一人者である岡田早苗先生にお話をうかがいました。 あなたの健やかな生活に、岡田先生のお話をぜひお役立てください。
全身の健康に欠かせない「第6の栄養素」食物繊維。この記事では、中でも腸の運動を促進する不溶性食物繊維について、そのはたらきや多く含まれる食品、水溶性食物繊維との違いなどを詳しくご説明します。
乳酸菌の中でも、特に最近よく耳にするようになった「植物性乳酸菌」の持つ驚きの効果と機能について、詳しく紹介していきます。
記事の監修 管理栄養士 川野 恵 フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェー […]
上品な甘さの美味しい粒あんがご自宅で簡単に作れます。小豆の健康効果や手作り粒あんを使ったレシピも掲載中。
ぜんざいを小豆から作りたい方に向けて美味しい作り方を紹介しています。ぜんざいの由来や気になる噂についてもまとめているので「ぜんざいが大好き」という方は、ぜひ読んでみてください。
はじめてでも失敗しない基本の小豆の煮方をご紹介します。鍋や電気圧力鍋を使った煮方を徹底解説!また、小豆がもつ6つの健康効果・効能などもご紹介いたします。
小豆は和菓子にはなくてはならないあんこの原料として、日本人には身近な食材の一つです。 この小豆の古い歴史と、現在の日本での生産について解説していきます。
オートミールがダイエットや炭水化物・糖質制限におすすめの理由や、筋トレとの相性について、さらには効果的な食べ方(レシピ)やイチオシの選び方など、役立つ情報をまとめて解説しています。
14,185ビュー
8,477ビュー
6,297ビュー
6,091ビュー
5,493ビュー
5,452ビュー
5,086ビュー
4,853ビュー
4,568ビュー
4,400ビュー
4,348ビュー
3,704ビュー
3,602ビュー
3,595ビュー
3,463ビュー
3,242ビュー
2,872ビュー
2,796ビュー
2,776ビュー
2,758ビュー
14,185ビュー
8,477ビュー
6,297ビュー
6,091ビュー
5,493ビュー
5,452ビュー
5,086ビュー
4,853ビュー
4,568ビュー
4,400ビュー
4,348ビュー
3,704ビュー
3,602ビュー
3,595ビュー
3,463ビュー
3,242ビュー
2,872ビュー
2,796ビュー
2,776ビュー
2,758ビュー
14,185ビュー
8,477ビュー
6,297ビュー
6,091ビュー
5,493ビュー
5,452ビュー
5,086ビュー
4,853ビュー
4,568ビュー
4,400ビュー
4,348ビュー
3,704ビュー
3,602ビュー
3,595ビュー
3,463ビュー
3,242ビュー
2,872ビュー
2,796ビュー
2,776ビュー
2,758ビュー